相続・事業承継コンサルタントの小島淳一です。
あなたの想いを実現するために、
相続と事業承継を両輪で支えます。

長年かけて育ててきた会社には、数字だけでは表せない価値があります。
お客様との信頼関係、従業員との絆、地域社会とのつながり。
だからこそ事業承継を考える際、多くの経営者は「いくらで売れるか」よりも、「誰に託すか」で悩みます。
M&Aは、会社の価値や想いを次の経営者へ引き継ぐ方法の一つです。ただし、成功させるためには「価格」だけでなく、「相手選び」や「事前準備」が重要になります。ここを見落とすと、思わぬトラブルにつながることがあります。

【なぜM&Aのトラブルが起こるのか】

M&Aのトラブルと聞くと、意図的な問題行為を想像する方もいるかもしれません。しかし、実際には双方の認識不足や確認不足が原因となるケースも少なくありません。

例えば、売り手側は「従業員の雇用を維持してほしい」と考えていたとしても、買い手側は事業の効率化を優先している場合があります。
また、売却後も今までと同じ経営方針が続くと思っていたところ、大幅な方針転換が行われることもあります。
こうした認識の違いは、契約前に十分な確認が行われていれば防げる可能性があります。

【M&Aで起こりやすいトラブル】
□ 買収後に経営方針が変わる
□ 従業員の離職が増える
□ 想定していた条件と異なる
□ 契約内容の解釈に差がある
□ 財務上の問題が後から見つかる
どれも事前の確認不足が大きな要因になりやすいものです

「会社の価値」だけでなく「会社の中身」を見られる時代

M&Aでは企業価値や譲渡価格に注目が集まりがちです。しかし買い手企業が本当に知りたいのは、数字だけではありません。
例えば、
・主要取引先との関係
・従業員の定着状況
・未払い残業代の有無
・契約書の管理状況
・設備やシステムの状態
なども重要な判断材料になります。
この調査は一般的に「デューデリジェンス(DD)」と呼ばれます。難しく聞こえるかもしれませんが、簡単にいえば「会社の実態確認」です。
ここで課題が見つかること自体は珍しいことではありません。重要なのは、事前に把握し、適切な対応策を検討することです。
問題を事前に共有できれば解決策を話し合えますが、後から発覚すると信頼関係を損なう可能性があります。

意外と見落とされる「人」の問題

M&Aを検討する際、多くの経営者は譲渡価格や契約条件に意識が向きます。
しかし実際の現場では、人に関する問題が大きな課題になることもあります。長年一緒に働いてきた従業員にとって、会社が別のオーナーになることは大きな変化です。

「待遇は変わるのか」
「仕事は続けられるのか」
「会社はどうなるのか」
不安を感じるのは自然なことです。

十分な説明がないまま進めると、優秀な人材が退職してしまうこともあります。その結果、会社の価値そのものが下がってしまうケースもあります。人と人との信頼関係が重要なのです。
ただし、M&Aでは情報管理も重要です。検討段階で不用意に情報が広がると、従業員や取引先に不安を与える可能性があります。そのため、適切なタイミングで丁寧に説明することが求められます。

支援機関選びも成功のカギ

M&Aは専門知識が必要な分野です。
そのため、多くの企業が仲介会社やアドバイザーの支援を受けながら進めます。
ただし、どこに依頼しても同じというわけではありません。
相談先を選ぶ際は、以下の点を確認しておくと安心です。

・M&A支援機関の登録状況や実績があるか
・リスクも説明してくれるか
・中小企業支援の実績があるか
・質問に丁寧に対応してくれるか

説明が極端に楽観的だったり、契約を急がせたりする場合には慎重な判断が必要でしょう。
大切な会社の未来を託す相手だからこそ、信頼できる専門家かどうかを見極めることが重要です。

M&A成功のために今からできること

M&Aは、会社を手放すための手続きではなく、事業を未来につなぐための選択肢の一つです。
できるだけ早い段階から準備を始めることが重要になります。
例えば、
・財務資料を整理する
・契約書類を保管する
・自社の強みと課題を把握する
・後継者問題について考える

こうした取り組みは、M&Aをするかどうかに関係なく、企業価値を高める経営改善にも繋がります。
将来の選択肢を広げるためにも、「まだ先の話」と考えずに準備を進めておく価値は十分にあります。

まとめ

会社には、経営者が築いてきた実績だけでなく、従業員や取引先との信頼関係、地域とのつながりなど、目に見えない価値があります。
だからこそM&Aを検討する際は、譲渡価格だけで判断するのではなく、「誰に、どのように会社を託すのか」という視点が重要です。
十分な準備と正しい情報共有を行い、信頼できる専門家とともに進めることで、会社の価値を次の世代へつなぐ可能性を広げることができるでしょう。

この記事を書いた人

小島 淳一

小島 淳一

1970年、神奈川県海老名市生まれ。新卒で入社した出光興産での現場
叩き上げの経験が原点。福島・千葉エリアのSS支援では、経営者と真正面
から向き合い、集客施策によって売上を3倍に伸ばすなどの成果を残し、
「現場で鍛えられたマーケター」との評価を得る。
2000年にソニー生命へ転じ、MDRT終身会員・営業最高位エグゼクティブ
ライフプランナーを経て独立。FP・ライフワーク株式会社を設立し、
経営者に寄り添う資産設計の伴走支援を展開している。
現在は、資産設計に「家族会議支援®︎」を組み合わせ、“家族と事業の未来を見据える伴走者”として活動。
またオーナー経営者を中心に事業承継の意思決定と関係者間の合意形成に
寄り添い、事業承継顧問契約を多数締結している。モットーは「献身」と「素直」。自分の利益より、まず相手の未来を優先して考えること。
「あなたに逢えてよかった」と言われる存在であることを目指し、
クライアントと共に積み重ねた信頼こそ、人生の最大の財産と感じている。

【趣味】
歌舞伎鑑賞とラグビー観戦。伝統芸能の美意識とフィールドでの戦略性に
共通点を感じ、どちらも“人生の縮図”と捉えて楽しんでいます。
舞台とスタジアムの空気を感じる時間が、感性と視点を磨く源です。

【保有資格】
IFA/AFP/相続診断士/公的保険アドバイザー/戦略MGマネジメント
ゲーム認定講師。資産形成・事業承継・家族会議支援®︎を包括し、
顧問型の相続・経営サポートを提供中。