相続・事業承継コンサルタントの小島淳一です。
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相続という言葉を聞くと、「財産をどう分けるか」という手続きの問題をイメージする方が多いかもしれません。しかし相続は単なる財産分割の手続きではなく、家族の関係にも大きく影響する重要な出来事です。
相続の進め方によっては、家族の絆を深める機会にもなれば、逆に関係が悪化してしまうきっかけになることもあります。

そもそも相続とは、亡くなった人の財産や権利、義務などを残された家族が引き継ぐことをいいます。
相続には大きく分けて「遺言による相続」と「法定相続」があり、遺言書がある場合は原則としてその内容が優先され、遺言がない場合には民法のルールに基づいて遺産分割を行うことになります。

しかし現実の相続では、家族の考え方の違いや情報不足が原因となり、トラブルに発展することも少なくありません。円満な相続を実現するためには、事前の準備と家族間の理解が重要になります。

1.相続トラブルを防ぐには生前の話し合いが大切

相続対策の第一歩は、家族が元気なうちに相続について話し合っておくことです。
しかし現実には、相続の話題は「縁起が悪い」「まだ早い」と感じられ、後回しになりがちです。

ところが、何も共有されていない状態で相続が始まると、それぞれの家族が自分なりの理解や期待を持ったまま手続きを進めることになります。その結果、意見の食い違いが生まれ、争いに発展する可能性が高くなります。
相続について話し合う際は、

  • 財産の状況
  • 不動産の扱い
  • 介護の負担や家族の希望

などを共有することが重要です。
お盆や年末年始など家族が集まるタイミングをきっかけに、少しずつ話題にするだけでも将来のトラブル防止につながります。

2.相続トラブルが起きやすいケース

相続トラブルの多くは、家族それぞれの立場や認識の違いから生まれます。

例えば、親と同居して介護を担っていた子どもは
「長年世話をしてきたのだから多く相続しても良いのではないか」
と考えることがあります。

一方、離れて暮らしている兄弟姉妹は
「法律上は同じ相続人なのだから平等に分けるべき」
と感じることもあります。

このような認識の違いがあるまま相続が始まると、遺産の分け方をめぐって対立が起こる可能性があります。

また、相続財産の大半が不動産の場合は分割が難しく、話し合いが長期化するケースも多く見られます。預金のように簡単に分けられないため、売却するのか、誰が相続するのかを巡って意見が分かれやすいのです。
さらに、遺言書がない場合には相続人全員の合意が必要となるため、誰か一人でも納得しなければ手続きが進まないという問題も起こります。

こうした背景から、相続トラブルは特別な家庭だけでなく、どの家庭にも起こり得るものといわれています。

3.争族を防ぐための具体的な対策

相続トラブルを防ぐためには、事前に制度を活用して準備しておくことが重要です。ここでは代表的な対策を紹介します。

① 公正証書遺言を作成する

遺言書は、財産の分け方を明確にしておくための有効な方法です。
特に公証役場で作成する公正証書遺言は、法律的な形式が整っており、紛失や無効になるリスクが少ないため安心です。
遺言書がない場合は相続人全員で遺産分割協議を行う必要がありますが、遺言があれば故人の意思に基づいた財産分配が可能になり、トラブルの防止につながります。

② 生前贈与を活用する

生前に財産を少しずつ子どもや家族に渡しておく方法も有効です。
生前贈与によって相続時の財産を減らすことができるため、分割の負担を軽くする効果があります。
ただし、特定の子どもだけが多く贈与を受けている場合、相続時に不公平感が生まれることもあります。そのため、贈与の内容や理由を家族に説明しておくことが大切です。

③ 家族信託を活用する

高齢化が進む中で注目されているのが「家族信託(民事信託)」です。
家族信託とは、自分の財産の管理や運用を信頼できる家族に任せる仕組みです。
例えば
・親の認知症対策として財産管理を任せる
・不動産の管理や処分をスムーズにする
・将来の相続方法をあらかじめ決めておく
といった活用が可能です。

遺言や贈与と組み合わせることで、より柔軟な相続対策を行うことができます。

まとめ ― 家族全員が幸せになる相続を目指して

相続は財産を分けるだけの手続きではありません。
家族の思いをつなぎ、これからの関係を守る大切なプロセスです。

家族同士のコミュニケーションを深め、必要に応じて専門家のサポートを活用することで、相続は争いではなく「家族の未来を考える機会」になります。
穏やかな相続を迎えるために、まずは家族で話し合うことから始めてみてはいかがでしょうか。

この記事を書いた人

小島 淳一

小島 淳一

1970年、神奈川県海老名市生まれ。新卒で入社した出光興産での現場
叩き上げの経験が原点。福島・千葉エリアのSS支援では、経営者と真正面
から向き合い、集客施策によって売上を3倍に伸ばすなどの成果を残し、
「現場で鍛えられたマーケター」との評価を得る。
2000年にソニー生命へ転じ、MDRT終身会員・営業最高位エグゼクティブ
ライフプランナーを経て独立。FP・ライフワーク株式会社を設立し、
経営者に寄り添う資産設計の伴走支援を展開している。
現在は、資産設計に「家族会議支援®︎」を組み合わせ、“家族と事業の未来を見据える伴走者”として活動。
またオーナー経営者を中心に事業承継の意思決定と関係者間の合意形成に
寄り添い、事業承継顧問契約を多数締結している。モットーは「献身」と「素直」。自分の利益より、まず相手の未来を優先して考えること。
「あなたに逢えてよかった」と言われる存在であることを目指し、
クライアントと共に積み重ねた信頼こそ、人生の最大の財産と感じている。

【趣味】
歌舞伎鑑賞とラグビー観戦。伝統芸能の美意識とフィールドでの戦略性に
共通点を感じ、どちらも“人生の縮図”と捉えて楽しんでいます。
舞台とスタジアムの空気を感じる時間が、感性と視点を磨く源です。

【保有資格】
IFA/AFP/相続診断士/公的保険アドバイザー/戦略MGマネジメント
ゲーム認定講師。資産形成・事業承継・家族会議支援®︎を包括し、
顧問型の相続・経営サポートを提供中。